先日、堺の歴史に詳しい方のご案内で、堺の町を巡る機会をいただきました。

 

ご一緒したのは、大阪、京都で伝筆先生として大活躍されている一宮克江さん。

 

女性三人で、歴史と文化に触れる豊かな時間を過ごしました。

 

 

一般社団法人伝筆協会代表理事・侑季蒼葉です。

 

世界最大級の古墳「仁徳天皇陵」へ

 

最初に向かったのは、百舌鳥古墳群の中心にある仁徳天皇陵(仁徳御陵)。

 

 

左:瀧澤裕子さん

真ん中:私 侑季蒼葉

右:一宮克江さん

 

上空から見ると鍵穴の形をした前方後円墳で、その規模は世界最大級ともいわれています。

 

 

 

5世紀頃に築かれたとされるこの古墳は、当時の日本にどれほど大きな力と技術があったのかを今に伝えてくれます。

 

周囲を歩いていると、その大きさを体感することはできても、全体像を見ることはできません。

 

 

 

だからこそ、「見えているものだけが真実ではない」ということを教えられているようにも感じました。

 

歴史も人も同じ。

 

目の前に見えている姿だけでは、その全体はわからないのかもしれません。

 

 

 

その後は大仙公園内にある「こふん前Cafe IROHA」でランチ。

 

 

 

かまぼこも、前方後円墳^^かわいい^^

 

20食限定のとっても美味しい籠御膳をいただきながら、これから巡る堺の歴史に思いを馳せました。

 

 

 

こふん前Cafe IROHA
072-245-0168
住所:大阪府堺市堺区百舌鳥夕雲町2-204 大仙公園
定休日:月曜日(祝日の場合は翌日)

 

480年以上守り続けられた味千利休も愛した「芥子餅」

 

次に案内してもらったのは、堺でぜひ訪れたい場所のひとつとして連れていってもらいました、本家小嶋さん。

 

 

室町時代から続く老舗で、現在まで約480年にわたり「芥子餅(けしもち)」を作り続けています。

 

千利休も好んで食べたと伝わる銘菓です。

 

 

百貨店への出店もせず、大量生産もせず。

 

ご家族で作れる分だけを手作り販売しながら、代々の味を守り続けてこられました。

 

効率や拡大を追い求める時代だからこそ、その姿勢には深い感動を覚えます。

 

伝筆もまた、「早く上手に書く技術」ではなく、「想いを伝える文化」を大切にしています。

 

何かを広げることよりも、まず本質を守ること。

 

僭越ながら、本家小嶋さんの在り方に、どこか通じるものを感じました。

 

 

そして何より、芥子餅が本当に美味しい!

 

長く愛され続ける理由は、一口食べたらわかりました。

 

 

 

こし餡を求肥で包み、プチプチとした芥子の実をまぶしてあります。

 

口に入れると、柔らかさと香ばしさが広がって、絶品^^

 

ニッキ餅もいただきました。

 

漢方にも使われるニッキを練り込んだ求肥が特徴といわれ、こちらも爽やかな香りと甘さのバランスが絶妙で、丁寧な職人技を感じます。

 

実は、私は特別甘党ではないのですが、ペロリと美味しくいただけました^^

 

裕子さん、ごちそうさまでした^^

 

本家小嶋
住所: 堺市堺区大町西1-2-21
TEL:072-232-1876
交通 阪堺線「宿院」駅 徒歩1分
定休日:月曜
営業時間 :9:00~17:00(売り切れ次第閉店)
URL :https://www.honkekojima.com/

 

千利休が生きた町

 

堺といえば千利休。

 

茶人として知られていますが、もともとは堺の商人だとご存知ですか?

 

茶道では習うのかしら?

 

私は、全然知らなくて、反省、、、

 

当時の堺は自治都市として栄え、海外との交易を行い、鉄砲の製造や流通も担っていました。

 

つまり堺商人は、文化を育てた人々であると同時に、武器を扱う商人でもあったのです。

 

千利休屋敷跡も訪れました。

 

 

残念ながら火曜日で休館日だったため内部には入れませんでしたが、今も残る井戸を見ることができました。

 

 

利休が水を汲み、お茶を点てていたかもしれない。

 

そう思うと、歴史上の人物が急に身近に感じられます。

 

わび茶の世界を大成した利休もまた、平和な文化だけでなく、戦国時代という激動の時代の中で生きていました。

 

ここにもまた、歴史の光と影があります。

 

夜泣きの蘇鉄が語るもの

 

続いて訪れた妙國寺。

 

 

 

境内には有名な「夜泣きの蘇鉄」があります。

 

 

参拝者らを案内する堺観光ボランティア協会の方から、「夜泣きの蘇鉄」伝説を教えてもらいました。

 

信長は妙國寺にて蘇鉄をみて、この蘇鉄がどうしてもほしくなり、ついには権力を行使して安土城に移植してしまいました。

 

ところがその蘇鉄が夜な夜な「堺へ帰りたい」「妙國寺に帰りたい」とすすり泣きます。

 

怒った信長は家来に切り倒すよう命じます。

 

すると、切り口から鮮血のような液体がほとばしり、さすがに気味が悪くなった信長は蘇鉄を妙國寺に戻させました。

 

今も堂々と立つ蘇鉄は、まるで長い歴史の証人のようでした。

 

また、枯山水の庭は一幅の絵画のような美しさ。

 

静寂の中で眺めていると、心が自然と整っていきます。

 

さらに妙國寺は、本能寺の変の際に徳川家康が宿泊していた場所としても知られています。

 

信長の勧めで妙國寺を訪れた家康は、鉄砲と火薬を買い付ける商談をしていたといいます。

 

ときは天正10(1582)年6月2日。

 

信長が京都の本能寺で明智光秀の襲撃に遭い、非業の死を遂げた日です。

 

無事商談を終えた家康は京都の信長に挨拶をしようと寺を出ましたが、ほどなく信長の死の知らせを受けました。

 

やばい、自分も狙われる、と身の危険を感じた家康は進路を変え、逃げたとのことです。

 

妙國寺は、このように歴史の大きな転換点の舞台となった場所なのです。

 

 

明治初めに起きた「堺事件」

 

妙國寺はもうひとつ、大きな歴史を背負っています。

 

明治元年に起きた「堺事件」の舞台でもあります。

 

慶應4年(1868年)2月15日(旧暦)、堺港において堺を警備する土佐藩士とフランス兵の間で衝突が起こり、銃撃戦が行われました。

 

フランス側が11名死亡・5名負傷しました。

 

その責任を問われた土佐藩士たちは、妙國寺で切腹を命じられます。

 

その様子を見ていたフランス側が、その壮絶さに驚き、途中で中止を申し出たという記録が残っています。

 

明治維新という新しい時代の始まりの裏側には、このような痛ましい出来事もありました。

 

私たちは歴史の成功や栄光に目を向けがちですが、その陰には必ず名もなき人々の苦悩や犠牲があります。

 

 

▲写真は、妙國寺の門前にある土佐十一烈士の石碑です。

 

なお建立したのは堺能楽会館の館主大澤徳平さんの祖父。

 

妙國寺
住所:大阪府堺市堺区材木町東4丁1-4
電話:072-233-0369

 

歴史の「光」と「影」の両方を見る

 

今回の堺巡りを案内していただきながら、「堺の歴史を知らなければ、日本の中世史は語れない」とお聞きしました。

 

特に、堺の影の歴史を。

 

何事、何人にも光と影があります。

 

その両方を見る必要があります。

 

このようにお聞きするまで、私は知らないことばかりでした。

 

堺は周囲に環濠を巡らせ、自らを守る自治都市。

 

海外と交易し、文化を育み、茶の湯を発展させました。

 

一方で鉄砲を製造し、戦国時代を支える役割も担いました。

 

文化と武力。

 

平和と防衛。

 

光と影。

 

どちらか一方だけでは、本当の歴史は見えてこない。

 

本当にその通りだと。

 

そしてそれは、人も同じなのかもしれません。

 

誰の中にも光があり、影があります。

 

歴史を学ぶことは、過去の出来事を知るだけでなく、人間そのものを学ぶことなのだと感じた一日でした。

 

堺の町を歩きながら、そんなことを考えました。

 

 

歴史に触れ、美味しいものを味わい、語り合った女性三人の堺巡り。

 

とても豊かな時間となりました。

 

今回、裕子さんに一日、電車、バス乗り放題^^「堺 おもてなしチケット」を用意してもらいました^^

 

とても便利で、堺巡りをされる方へおすすめです。

 

 

裕子さん、たくさんのお気遣いに感謝します。ありがとうございます^^

 

 

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