目次
筆ペンはお手軽に筆文字が書ける優れもの。
お手軽な筆ペンでも、毛筆と遜色がない文字を書く事も可能です。
そんな筆ペンの上手な使い方、書き方のコツをご紹介します。
一般社団法人伝筆®協会の侑季蒼葉です。
筆ペンで字を書く時のコツって?
日本人の毛筆離れから開発された、筆ペンです。
筆文字を書くのを苦手とする人びとが老若男女を問わず増えたことがありました。
多彩な筆記具の登場で筆や墨を日常的に使わなくなったこと、いざ筆文字を書くには墨、筆、硯などの道具を揃えなければならないことなど、さまざまな原因が考えられました。
しかし、その一方で、結婚式などにおける芳名帳への記帳や熨斗紙への署名、さらには年賀状など、筆文字がふさわしい場面は暮らしの身近なところにたくさんありました。
「できれば墨と筆で文字を書きたい」そう思っている人は多いはず。
そこに潜在的なニーズを見ることができました。筆文字は書きたいが、簡単には書けない。
ならば、筆をとるのが苦手と思っている人びとに、もっと手軽で簡単に筆文字が書ける筆記具を提案すれば、どんなにか便利だろう。
どれほど喜ばれるだろう。これが新製品開発のコンセプトとなりました。
毛筆よりも扱いやすく、文字を書きやすいのが特徴ではありますが、綺麗なトメ・ハネ・ハライ・や筆の運び方などが今ひとつ分からず、「難しいな〜」という声も多くお聞きします。
とはいえ、若い年代の方は、字の得手不得手をまったく気にしない方も増え始めていて、「癖のある字もその人らしいな〜」と思うくらいで、そんなに問題にはならないかもしれません。
しかし、親・祖父母世代や会社の上司・先輩などの世代は「字の綺麗さは教養の表れ」「気持ちの表れ」と解釈している方もまだまだ多いです。
【教養】
教養(きょうよう)とは個人の人格や学習に結びついた知識や行いのこと。
これに関連した学問や芸術、および精神修養などの教育、文化的諸活動を含める場合もある。
Wikipediaより
さらに、会社などで代表して字を書かなければならないときや、芳名帳など人前で書くとき、さらさらと綺麗な字で書ければ、それだけで尊敬され、得することも多いですよね。
そこで、今回は、筆ペンで上手に字を書くコツをいくつかご紹介します。
ぜひ、参考にしてくださいね。
筆ペンのコツ1.正しい持ち方を意識する
筆ペンは、コンビニエンスストアーでも見かけるほど、身近な筆記具として認識されてはきましたが、「実際にどうやって筆ペンを持ったらいいの?」と気になるところ。
ペンの持ち方は、親指と人差し指でぺんをはさみ、親指は力まず、人差し指より上の位置に置き、残る3本の指と手のひらでピンポン球が一つ入るぐらいのゆったりとした空間を作って握ります。
ぺんの立て方は、ボールペンと筆ペンでは異なります。
ボールぺんは、目安として、紙に対して45度から50度が書きやすいと言われています。
筆ペンは、筆の先を利用したり、筆の根元まで利用して書くので、ペンの立て方は以下のように覚えておくと書きやすいです。
細い線を書くときは、紙に対してほぼまっすぐになるように、ペンを立てる。
太い線を書くときは、箸を持つように、紙に対して30度。
このように、ペンの立て方を変えることで、細い線、太い線を書きこなすことができます。
筆ペン遣いがうまい人は、筆の先〜腹〜根元まですべてを利用して書いています。
意識してみてくださいね。
筆ペンのコツ2.自分にあったペンを選ぶ
筆ペンは、いろいろな文具メーカーから販売されていて、選ぶのに悩むほどです。
色・形・太さ・穂先などいろんな種類があります。
その中から、「自分の書きやすいもの」を見つけることが大切です。
初心者の方へ芯が硬い硬質タイプをおすすめする本が多いですが、わたしは、初心者だからこそ、毛筆タイプをおすすめしたいです。
筆ペンの毛筆タイプのペン先は、弾力があります。
日本語を美しく見せる第一の条件は、 「線に強弱(変化)をつける」こと。
筆先から筆の根元までを利用すれば、繊細な印象から迫力のある印象まで自由自在に表現することができます。
線の太さに抑揚をつけると、字の形が少々バランスが悪くても、字に味わいを出すことができ、字が上手に見えます。
芯が硬い硬質タイプは、線を太さを毛筆タイプほど線に強弱(変化)をつけることが難しく、字そのものの上手下手がクローズアップされやすい。
そのため、字を書くことが苦手な方は、芯が硬い硬質タイプで書いた自分の字を見て、がっくりしてしまうことが多いです。
筆ペンの毛筆タイプの材質は、ナイロンや合成樹脂ですから弾力がり、少々力を入れても、荒っぽく使っても大丈夫。
このように、「毛筆タイプ」筆ペンは書道に近い文字を書くことができます。
お手軽な筆ペンでも、このように、毛筆と遜色がない文字を書く事が可能です。
「筆ペンで書いたハガキを出したら、まわりから”へ〜〜これ、手書き?!”と驚かれた」、という感想も多くいただきます。
自分の字がまわりから驚かれるって、楽しさの一つになります。^^
大人になってからの手習いは、楽しくないと続かないです。
続けば、道具(筆ペン)にも慣れます。
道具(筆ペン)に慣れれば、(字を書く)技術もあがります。
自分にあった筆ペンに出会えたら、手書き初心者にとっては、最強の武器となります。
筆ペンのコツ3.練習をする
いきなり筆ペンで文章を書こうと思うと、かなりの確率でうまく書けなくて挫折しています。
練習としておすすめなのは、図形を書くこと。
何回か、筆ペンで練習してから、文章にチャレンジしてみましょう。
縦線、横線、図形の四角、図形の「マル」、螺旋、三角、細い線、太い線で書いてみる。
こうして、図形や絵を書いていると、筆圧によって墨の出方の違いや、線の太さの書き方になれてきます。
慣れてきたら、自分の名前を書いてみてくださいね。
一番書く機会が多くなりますから^^
そして、筆ペンで早く上達するコツは、毎日、一回は筆ペンを持つこと。
招待状の宛名書きに関わらず、筆ペンの練習をしておくと、これから先、役立つ場面がきっと出てくると思います。^^
筆ペンのコツ4.書くときの震えを抑える裏技
筆ペンで字を書く際に、字が細かくて震えてしまうということがあります。
その震えをなくすコツは、まずは、息をとめること!
2〜3秒息をとめて、「トン」と筆圧をかけ、「シューッ」というスピードで書いてみてください。
これでうまくいかないときは、以下も併用しましょう。
「震えても大丈夫」という呪文をかける。
実は、「震え」は、メンタルが与えている影響が大きいです。
つまり、手書きへの苦手意識や、緊張感です。
緊張自体は人にとって瞬間的に集中したい時や、自らを高めるためには欠かせないものではありますが、人は「緊張したらうまくいかない」とネガティブに思ってしまっている場合が多く、「緊張すること=失敗」という構図になってしまっています。
なので、「細い字だ、震えないように書こう」と思うと、ますます緊張して、不安になり、さらに手が震える、という連鎖。
「震えても大丈夫」という呪文は、このような緊張状態を受け入れてしまう、わけです。
「緊張してきたぞ」「震えてきた!」などと、自分の状況を自分自身で面白がってみると効果的です。
手書きには、気楽な気持ちが大切です。
「震えている、この字は味があってかわいい^^」ぐらいに思ってみてください。
2〜3秒息をとめて、「トン、シューッ」のリズムを口に出しながら書く、というコツと合わせて試してみてくださいね。
筆ペンのコツを押さえて、美文字に!
今回は、筆ペンで字を綺麗に書くコツをいくつかご紹介いたしました。
ご紹介したポイントを押さえれば、以前よりも筆ペンの字を上達するはずです。
ぜひ、ポイントを踏まえて、筆ペンで素敵な文字を綴ってくださいね。
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参考図書「直線で書けば今すぐ字が上手くなる」(サンマーク出版)著者:一般社団法人代表理事 侑季蒼葉
使用している筆ペン「ぺんてる筆 XFL2B 太字 黒」
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