目次
5月5日のこどもの日。
「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する」の日。
いかがお過ごしですか?
一般社団法人伝筆協会代表の侑季蒼葉(ゆうきあおば)です。
「鯉のぼり」の意味や由来
屋根より高い鯉のぼり。
こどもの日が近づくと、各地では、外にきれいな鯉のぼりを揚げてお祝いします。
こいのぼり(鯉幟)とは、日本の風習で、江戸時代に武家で始まった端午の節句に男児の健やかな成長を願って家庭の庭先に飾る鯉の形に模して作ったのぼり。
紙・布・不織布などに鯉の絵柄を描いたもので、風を受けてたなびくようになっている。
皐幟(さつきのぼり)、鯉の吹き流しとも言う。
日本鯉のぼり協会の統一見解では屋外に飾るものを「鯉のぼり」、屋内に飾るものを「飾り鯉」という。
もとは旧暦の5月5日までの行事であったが、現代ではグレゴリオ暦(新暦)5月5日に向けて飾られるようになり、イメージは「晩春の晴天の日の青空にたなびくもの」となった。ただし地方により、端午の節句を祝う時期が違うので、旧暦の端午やひと月遅れのグレゴリオ暦(新暦)6月5日とする地方もある。Wikipediaより
日本には、様々な風習があるにも関わらず、知っているようで曖昧な理解だったり、形だけ・・なんてことも。
本日は、「鯉のぼり」とは一体どのようなものなのか、その意味や由来と、「滝をのぼり竜となる」筆ペンインテリア書をお届けします。
「鯉のぼり」の由来:民間から始まった
5月5日は、「こどもの日」であり、「端午の節句」のお祝いをされることが多いです。
ですが、この2つは由来も意味も異なります。
1948年に日本国憲法(祝日法)によって「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する」の趣旨のもと、「国民の休日」として「こどもの日」と定められました。
これは「5月5日を正式に、こどもを大切にする日の祝日としてほしい」との要望があったために制定されたものです。
「端午の節句」は、この「こどもの日」が制定されるよりずっと以前から、日本文化として確立していました。
「端午の節句」という風習は「奈良時代」に、中国から日本へ伝わりました。
「端午」とは、本来は「午の月(うまのつき、現在の5月)の最初、始まり(=端)」を祝う風習のことです。
この頃は、春から夏へ切り替わるころで、季節の変化から体調を崩すことがありました。
当時は、 病気は邪気によるものと考えられていたため、邪気祓いとして、強い香気で厄を祓う菖蒲(ショウブ)や蓬(ヨモギ)を軒先にさしたり、あるいはお風呂に入れて「菖蒲湯」にしたり、菖蒲酒を飲んだりすることで、無病息災を願ったのです。
その後、時代が「武家社会」へ。
「菖蒲(ショウブ)」は、武道・武勇を重んじるという意味の「尚武」や「勝負」に通じる。
葉の形が刀に似ている。
これらから、端午の節句は「邪気払い」だけでなく、「男の児の立身出世・武運長久を祈る年中行事」男児の節句へと変化していきました。
それまで端午の節句は「5月の午の日」を指していただけでしたが、江戸時代に「午」を「ご」と呼ぶことが数字の「5」を連想させるということもあり、徳川幕府の大切な式日「五節句(人日(じんじつ)・上巳(じょうし)・端午(たんご)・七夕(しちせき)・重陽(ちょうよう)」のひとつとして「5月5日」にお祝いするようになりました。
このように、江戸時代初期には重要な式事となった端午の節句は、どんどん豪華で華やかに、日本独自に発展していきます。
将軍家に子どもが生まれた際は、端午の節句に「幟(のぼり)」を揚げるようになりました。
この幟(のぼり)をあげる風習が、武家では「吹き流し」に変化しました。
このように、武家文化として発展してきた端午の節句ですが、江戸時代に入ってから、庶民文化も著しく発展し、民間でも端午の節句は重要な行事となっていきました。
武家が五色の吹き流しを揚げたのに対し、民間では中国の伝承をもとにした「鯉のぼり」が考案され揚げるようになったのです。
「武家の子どもの身を案じ、出世や活躍を願う行事」として発展してきた「端午の節句」から、やっと、鯉のぼりの登場ですね。
「鯉の滝登り」中国伝説から生まれた鯉のぼり
中国の伝承をもとにした「鯉のぼり」が考案されましたが、どんな伝承だったのでしょうか?
その伝承は「鯉の滝登り」と呼ばれるものです。
「中国の黄河の上流に、とても高く急流にある竜門と呼ばれる滝がありました。多くの魚が登ろうと試みたが、鯉のみが登り切りました。その水の流れにあらがって滝を登った鯉は竜となることができ、天を舞った」という「登竜門」伝説です。
「登竜門」という言葉をどこかで耳にされたことがあると思います。
さらに、鯉は清流だけでなく、沼でも池でも生きられる生命力の強い魚、大きく丈夫なことから、子どもに強くたくましく育ってほしいという願いを込めているのだそうです。
こうして、鯉のぼりは「どんな環境にも耐え、立派に成長するように」と立身出世の象徴となりました。
鯉のぼりもですが、五月人形の屏風などにも、龍はモチーフとしてよく用いられていますが、中国の神話や伝説に登場する「龍」が関係していたのですね。
現在、鯉の色
鯉のぼりの色には意味があります。
現代では、一般的に、黒い鯉がお父さん、赤い鯉がお母さん、青い鯉が子ども、です。
- 五色の吹き流し(子どもの安全・幸せを祈願、神様への報告)
- 黒:真鯉大黒柱であるお父さん
- 赤:緋鯉生命を担うお母さん
- 青:子鯉成長していく子ども
しかし、江戸時代に鯉のぼりが考案された際には「真鯉一匹飾り」が主流でした。
日本を代表する浮世絵画家として知られる「歌川広重」の『名所江戸百景』には、『水道橋駿河』に「真鯉一匹飾りの鯉のぼり」が描かれています。
つまりこの当時の真鯉は、現在のように「お父さん」を意味していたのではなく「子ども」自体を表していたとされます。
また、鯉のぼりは、初めから大きなものではなく、その幟についていた小さな旗でした。
その後、泳ぐ姿が人気となり次第に大きくなっていったといわれています。
明治時代には、緋鯉が加わり、何匹かの鯉を一緒に揚げるようになりました。
さらに、昭和に入ると青や緑などの子どもの鯉を加えるようになったそうです。
現代では、子どもが増えるに従い、「緑」、「紫」、「ピンク」などの鯉を足していくという家庭も多いようです。
鯉のぼりには、江戸時代からの歴史があり、どんどん形作られたものなのですね。
五色の吹き流しの意味
鯉のぼりの一番上に泳ぐ五色のひらひらとたなびいているものをご覧になったことがあると思います。
現在、鯉のぼりを揚げる際には、真鯉(黒鯉)の上の一番上に「五色(ごしき)の吹き流し」と呼ばれる、筒状の5枚の細長い尾をもった「幟(のぼり)」を揚げます。
吹き流し、と言います。
吹流しは、もともとは鯉のぼりとは別々のものでしたが、明治時代になり、鯉のぼりと吹流しは一緒に揚げられるようになりました。
この吹き流しは、鯉のぼりが誕生する以前の「幟(のぼり)」の風習です。
江戸時代中期頃、将軍家に子どもが生まれた際は、端午の節句に「幟(のぼり)」を揚げた、武家由来です。
鯉のぼりの「吹き流し」の青、赤、黃、白、黒の五色は、中国伝来の「五行説」が由来となっていています。
五行説とは、「世の中の全てものは、木・火・土・金・水という五行(5つの要素)から成り立っており、それぞれが消長、または結び合って循環することによって、あらゆる現象が出てくる」という考え方です。
吹き流しの五色は、「五常の心」を表します。
この思想に基づいて、「青=木=仁」「赤=火=礼」「黄=土=信」「白=金=義」「黒=水=智」を表し、魔除けとしてこどもを魔の手から守るという願いが込められているそうです。
吹流しは、他にも二本の線が引いてあるものは「子孫繁栄」を願っています。
矢車の意味
鯉のぼりを支える竿の先端に、車輪のようなもの。
「矢車」と言い、武将が持つ弓に由来があると言われています。
矢は、古来から邪悪なものを射るということから魔除けの意味があります。
また、派手に装飾されていたり、風に吹かれることでカラカラと音がするのは、神様が降りてくる時の目印や、神様へ子供の誕生をお知らせする目印、音で邪気を払う、などの意味もあるようです。
「登竜門」滝をのぼり竜となる筆ペン文字(伝筆インテリア書)
端午の節句の発展によって江戸中期に「五色の吹き流し」が武家で生まれ、庶民文化で「鯉のぼり」生まれ、それらの文化が一つに融合して現在の鯉のぼりが生まれました。
私は、青い空に、青い海を連想します。
今回は、鯉のぼりを強調したくて、シンプルにしましたが、次回は、青い海を鯉のぼりのバックに描きたいと思います。^^
お花は、根が絶えない、という意味から、ゼラニュームを飾りました。
兜は、身を守る物。
子どもの代わりに厄を引き受ける形代(かたしろ)と伝えられています。
災難から身を守り、たくましく勇猛に成長するという願いが込めて、兜を折り、赤(礼)の紐を結びました。
筆文字伝筆(つてふで)は、黒の筆ペンで。
登竜門
滝をのぼり竜となる
男の子の立身出世を願って伝筆しました。
こちらは、柏餅と、根付きのゼラニューム。
柏の木は新しい芽がでるまで古い葉を落とさない事から、子孫繁栄を象徴するものとして縁起がよいとされています。
言葉は、「一夜にして成らず」です。
何事にも、諦めずトライして欲しいという想いを込めて。^^
いつの時代でも、どの土地でも、子どもたちの笑顔が広がりますように
「鯉のぼりの由来」は単純なものではなく、江戸時代中期から現代にかけて、何度も何度も変化してきました。
最近では住宅事情の変化のために、特に都会では大きな鯉のぼりを見かけることは減ってきています。
たとえ鯉のぼりの形は変わっても、今も昔も変わらない、親が子の健やかな成長を願う気持ちが詰まっています。
東京都渋谷区の表参道にある国立総合児童センター「こどもの城」の敷地内にシンボルモニュメントとして設置された「こどもの樹」。
子供が伸び伸びと豊かな感性を育むことに深い関心を寄せていた岡本太郎は、作品の樹木の枝先にさまざまな表情の子供の顔を配し、個性豊かな人間の在り方を讃えました。
1985年に開館したこどもの城は2015年、老朽化を理由として閉館しましたが、施設は幅広い年齢層向けに再整備される方針で、作品はそのまま残されています。
いつの時代でも、どの土地でも、子どもたちの笑顔が広がりますようにと、願を込めて。
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