今日2月11日は、「建国記念の日」ですね。

 

日本の祝日は、「国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第178号)」で定められています。

 

「建国記念の日」は、法で定められた祝日。

 

「建国をしのび、国を愛する心を養う」という趣旨のもと、昭和四十一年政令第三百七十六号で「建国記念の日は、二月十一日とする」と記され、昭和41年に制定されました。

 

祝日は、その年によって日が変わることがありますが、「建国記念の日」の日付は毎年変わることはなく、2021年も2022年も2月11日です。

 

ところで、カレンダーなどをよく見ると、2月11日は「建国記念日」ではなく、「建国記念の日」と記されていることに気づいていましたか?

 

なぜ、「建国記念日」ではなく、「建国記念”の”日」なのでしょうか?

 

この「の」がついた経緯を紐解くと、私たちの暮らす国ができた記念の日として、「建国記念の日」が制定された歴史を、さかのぼることができます。

 

歴史を正しく知って、子どもたちに正しく伝えていきたいですね。

 

 

一般社団法人伝筆(つてふで)協会代表の侑季蒼葉(ゆうきあおば)です。

 

2月11日は「紀元節」建国を祝う祭日

 

まず、なぜ「建国記念の日」は、2月11日なのかを紐解きましょう。

 

日本書記では、日本国を統一したカムヤマトイワレビコノミコトとは、初代天皇になった神武(じんむ)天皇であると書かれています。

 

カムヤマトイワレビコノミコト(神武天皇)は、現在の建国記念の日にあたる、辛酉(かのととり)の年の春正月庚辰朔(しゅんしょうがつかのえたつついたち)の日【旧暦】紀元前660年1月1日に、大和国(やまとのくに、現・奈良県)の橿原宮(かしはらのみや)にて即位したとされています。

 

「え!?」2月11日ではなく、1月1日?と思われた方もいらっしゃると思いますが、神武天皇の即位日を太陽暦に当てはめると、紀元前660年2月11日となるのです。

 

つまり、初代天皇とされる即位日が、現在の暦になおすと2月11日だったわけです。

 

そして、その即位日である「日本の起源」を祝日にしようとする動きから、明治6年(1873年)、日本書紀などに基づいて神武天皇が即位した2月11日を「日本の建国された日」「日本の紀元(歴史が始まる最初の日)」としました。

 

この、日本の紀元の日を「紀元節」としました。

 

 

「紀元節」は全国の神社で「紀元節祭」と呼ばれ祭事が催されていたほか、人々の間でも「建国祭」として祭典が行われ、建国を祝ってきました。

 

しかし、第二次世界大戦後の1948(昭和23)年、GHQ(連合国軍司令部)が日本を統治するようになると「”紀元節”を認めることで、天皇を中心として日本人の団結力が高まるのではないか」という危惧するようになりました。

 

そして、GHQの意向により昭和23年(1948年)「紀元節」は廃止されることになります。

 

「建国記念日」ではなく「建国記念”の”日」なのは、なぜ?

 

戦前は、日本書紀などに基づいて2月11日が「紀元節」とされ、「建国記念日」でした。

 

なぜ戦後は、その同じ日が「建国記念日」ではなく、「建国記念”の”日」になったのでしょうか?。

 

 

日本の建国を記念する日「紀元節」は、戦後、GHQにより廃止されることになりました。

 

しかしその後、「紀元節」を復活させようという動きが高まり、テレビ局が行ったアンケート調査により、全国民の80%以上の人が「建国を記念する日」を望んでいるということがわかり、建国を記念するための祝日を設けることとなりました。

 

その結果、1966年(昭和41年)にようやく「建国記念の日」に関する提案が承認され、翌年1967年から国民の祝日に追加されることとなりました。

 

その際「紀元節」から「建国記念の日」に改正されました。

 

成立までに時間がかかった背景には、歴史学上では神武天皇は実在の人物ではなく「神話」として位置づけられていて、神話の世界の話を「これぞ、日本の歴史」となかなか通用しないなど、「日本の正確な起源などがわかっていないのに建国記念日など定められない」など学者や専門家による意見があったようです。

 

そこで、苦肉の策として生まれたのが「建国記念”の”日」です。

 

「の」の一文字を入れることで、史実に基づく建国された「建国記念日」ではありません。

 

「建国記念“の”日」は、建国されたという事実そのものをたんに記念する日なのです、という意味にしました。

 

そして、1966年、安倍晋三首相の祖父・岸信介の弟である佐藤栄作内閣の下で、「建国記念の日」が制定されました。

 

 

なるほど、なるほどです。

 

日本は長〜〜い歴史のある国で、2月11日が日本の誕生日かどうかは、はっきり言い切れない。

 

だけど、お祝いしたいから、日本誕生をこの日にお祝いすると決めよう、という苦心の末「の」が入ったわけですね。

 

この経緯を読んでいると、もしかしたら「日本の誕生日」はない、ということにもなりかねなかったんですよね。

 

日本の先人に感謝です。^^

 

もし、子どもに「建国記念の日」ってどんな日と尋ねられたら。

 

「建国記念日」ではないんだよ。

 

「日本という国ができた”日”のお祝い日だよ」ではなく、「建国記念の日」なの。

 

「日本ができた”ことを”お祝いする日だよ」と日本の建国について伝えたいと思います。

 

 

建国日の制定、他国と異なる日本

 

建国日を法律で定めて国民の祝日とする国は多いですが、他の国はどうやって建国日を制定しているのか、その制定の背景は国によって異なります。

 

  • アメリカは、独立宣言が交付された1776年7月4日「独立記念日」
  • フランスは、フランス革命の発端となったバスチーユ牢獄襲撃の日である1789年7月14日
  • ドイツは、東西ドイツ統一の1990年10月3日
  • 中国は、天安門で新国家の成立が宣言された1949年10月1日「国慶節(こっけいせつ)」

 

このように、かつて外国から統治されていた歴史がある国などは、そこから独立や革命によって勝ち取った新しい国家誕生といった、歴史的事実として主に近代国家が成立した日を建国記念日とする国が多いです。

 

日本は歴史上、外国から統治されたことがない国ですから、制定方法は、他国と大きく異なりますね。

 

「建国をしのび、国を愛する心を養う」という趣旨通り、「日本があることに感謝し、日本を愛し、先人に感謝」の気持ちで心穏やかに過ごすのが、日本の「建国記念の日」なのかもしれません。

 

 

2680年以上も歴史が続いている、日本

 

では、その日本、いつから何年続いているのか?

 

上記に記したように、神武天皇の即位が、日本の起源とすれば、、、

 

平成31年に、今の天皇陛下(今上(きんじょう)陛下)が天皇として即位されました。

 

第126代の天皇さまです。

 

初代天皇の即位から、第126代、2680年以上続いています!!

 

実は、日本はとても歴史が長い国なのです。

 

世界の国の数は、196か国。(現在、日本が承認している国の数である195か国に日本を加えた数)令和2年3月6日

 

世界的に見れば、2680年もの長きに渡って続いている国は、日本をおいて、他にありません。

 

これは、各国の国家成立年を調べてみると分かります。

 

3000年の歴史と言われている、中華人民共和国は、戦後できた国なのですよ。※国家成立年:1949年10月1日

 

ところで、「皇紀(こうき)」という言葉を聞いたことありますか?

 

神武天皇即位紀元(じんむてんのうそくいきげん)または神武紀元(じんむきげん)は、初代天皇である神武天皇が即位したとされる年を元年とする日本の紀年法である。

 

『日本書紀』の記述に基づき、元年は西暦(キリスト紀元)前660年とされている。

 

異称は皇紀(こうき)、神武紀元、即位紀元、皇暦(すめらこよみ、こうれき)、神武暦(じんむれき)、日紀(にっき)等。Wikipedia

 

現在の日本では、元号や西暦で年を示しますが、「皇紀(こうき)」とは、神武天皇が最初に即位した年「紀元前660年」を元年として数えた暦(こよみ)のことです。

 

明治時代に正式に採用されていました。

 

例えば。

 

  • 令和2年、西暦2020年は、皇紀2680年
  • 令和3年、西暦2021年は、皇紀2681年
  • 令和4年、西暦2022年は、皇紀2682年

 

皇紀の求め方は、西暦に660を足すと出ます。

 

つまり、20212年+660→2682^^

 

この皇紀で表現すると、日本の歴史年数がわかりますね。

 

日本は、世界一古い王家

 

ただし、日本の皇室が、神の子孫だというのはあくまで神話の中のお話で、科学的根拠はまったくない、という意見もあります。

 

しかし、諸説ありますが、少なくとも26代の継体(けいたい)天皇(450?-531年)以降は、天皇家は一つの血筋でつながっていると考えられています。

 

紀元前660年からではないにしても、世界的に見たら群を抜いて古い王家であることは間違いありません。

 

すごいことですね。

 

また、日本の天皇は、海外では「皇帝(Emperor)」という称号を得ています。

 

たとえば、世界有数の伝統を誇る英国王室のエリザベス女王の称号でさえも「女王(Queen)」であって、「皇后(Empress)」ではありません。

 

英国王室以外のヨーロッパ王室の血統は、古くとも18~19世紀前後のナポレオン戦争くらいから始まったものが大半です。

 

欧州の王室は、1800年代ごろに国外から来た人が、王となるケースが多いです。

 

明治時代には、エチオピア王室も「Emperor/Empress」の呼称が使われていたそうですが、現時点では世界中で「Emperor/Empress」という特別な称号を使用することが認められているのは、日本の皇室のみです。

 

これは、明治政府が世界中に「日本の天皇家は万世一系(ばんせいいっけい)である」と訴えた主張が、見事に影響していると言われています。※万世一系(ばんせいいっけい)は、永久に一つの系統が続くこと。

 

そう考えると、日本の皇室がいかに古く、歴史と伝統を持っているかということがわかりますね。

 

もちろん、歴史と伝統があれば優れているのか、というご意見もあるかと思いますが、私は日本を誇りに思います。

 

 

続ける、続くことで積み重ねられたものには、重みがあります。

 

コロナが収束し、また海外へ自由に行けることができるようになったら。

 

日本ってどんな国と尋ねられたら、「私たちが生まれ、暮らす国日本は、長い歴史がある国」と胸を張って答えたいと思います。

 

建国記念の日:筆ペン書き方

 

今回は、「建国記念の日」侑季蒼葉の2作品をご覧ください。

 

「建国記念の日」筆ペン「1」 筆文字デザイン

 

 

ハガキは横使いですが、縦書きです。

 

「建国」の「建」のえんにょうは、筆ペンを根元までしっかりおろして、曲線を描くように右へ筆を運びます。

 

カクカクしないように、数字の「3」を書くイメージで筆を運んでみるとうまくかけます。

 

「建国記念の日」筆ペン「2」 筆文字デザイン

 

 

ハガキは横使いですが、横書きです。

 

1作品目は「えんにょう」を小さくしました。

 

一画めは、しっかり根元まで筆をおろして、半円描いてください。

 

半円が小さくなる方は、ご自身が思っている2倍の幅まで筆を運びます。

 

その際に、勢いをつけることで、字が生き生きとしてきます。

 

※作品の著作について

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まとめ

 

日本の国は、どこかの国を滅ぼして、新たに国を建てたという成り立ちではありません。

 

「古事記」「日本書紀」に記されているように、「国としてのはじまり」のみあるという感じです。

 

神から護られ、先人から護られています。

 

「建国記念の日」に特別な行事はないですから、「日本の歴史」を勉強してみたり、「日本のこと」を想いながら祝う一日としたいです。

 

日本の法律で定められた2月11日の祝日は、「建国記念の日」であって、「建国記念日」ではありません。

 

子どもにも「建国記念日」と教えてしまいそうですが、「建国記念の日」と正しく伝えられるようにしましょうね。

 

 


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